欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのハンソン・エストニア中央銀行総裁は、ユーロ圏経済には低迷終息の「新芽」が吹き始めているとして、金融緩和を急いで追加する必要性はないとの認識を示した。

Eurogroup Meeting Of European Finance Ministers And Central Bankers
ハンソン・エストニア中銀総裁Photographer: Peti Kollanyi/Bloomberg

フランクフルトでインタビューに応じたハンソン氏は経済成長とインフレ率が予想以上だったことを指摘し、ECBが3月に予測したように今年下期に景気見通しが改善する兆しだと述べた。ECBが6月に開催する次回の政策委員会会合で経済予測の修正があるのか、市中銀行に対する新たな長期資金供給プログラムの詳細が発表されるのか、投資家は注目している。

ハンソン氏は「今後数カ月で状況がどう展開していくか、様子を見たいところだ」とし、「現状は状況が改善に向かう始まりかもしれない」と続けた。マイナス金利が銀行収益に及ぼしている影響を緩和する措置については、「これまで意味ある形で実際的な議論が行われたことはない」と述べ、この対策で政策委員が一致に近づくとは期待していないと述べた。

ハンソン氏はエストニア中銀総裁としての任期満了が近づいており、ECB政策委員会への出席は6月が最後となる。

原題:ECB’s Hansson Sees No Need to Rush Stimulus as Economy Brightens(抜粋)