[ニューヨーク 10日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドルが円に対し小幅上昇。米中が通商協議で妥協点を見いだすとの慎重ながらも楽観的な見方が広がったことが背景にある。ただ、市場は全般的に小動きにとどまった。

ドル/円は0.13%高の109.89円。楽観的な見方を反映し、豪ドルも対米ドルで0.14%上昇 した。主要6通貨に対するドル指数は0.04%安の97.331 だった。

ドイツ銀の為替戦略グローバル主任のアラン・ラスキン氏は、週初 にはドル/円を中心に目立ったリスクオフ取引も見られたものの、「こ の日はそうした動きは継続しなかった」と述べた。

2日間の日程でワシントンで開催されていた米中通商協議は終了し 、トランプ大統領は中国との合意を急いでいないとの認識を示した。協 議に臨んだムニューシン財務長官は中国との話し合いが「建設的」だっ たと評価。中国の劉鶴副首相もブルームバーグに対し、協議は「極めて 良好」だったと語った。

前出のラスキン氏は「協議は継続するもようで、当面かなりのノイ ズが想定されるが、最終的には何らかの合意に至るだろう」と述べた。また、米政府はこの日、中国からの2000億ドル相当の輸入品に 対する関税を10%から25%に引き上げた。中国は対抗措置に動く構 えを示している。

対中関税引き上げを背景に、米連邦準備理事会(FRB)が年内に 利下げを実施するとの観測が高まった。朝方発表された4月の米消費者物価指数(CPI)前月比0.3 %上昇だった。基調的な物価は小幅な伸びにとどまり、FRBが当面金 利を据え置くことを示唆した。

カナダドル/米ドルは0.43%高で、3月以来の伸びを記 録。4月のカナダ雇用統計で雇用者数が10万6500人増と、過去最 高の伸びだったことが追い風になった。

ドル/円 
    NY終値 109.94/109.95
    始値 109.75
高値 110.04
安値 109.48
ユーロ/ドル 
    N Y終値 1.1233/1.1237
始値 1.1232
高値 1.1253
安値 1.1225