[ニューヨーク 13日ロイター]−終盤のニューヨーク外為市場では、中国人民元が対ドルで下落し、昨年12月以来の安値となった。米中貿易摩擦の激化が背景。

中国は13日、米国からの600億ドル相当の輸入品に対する追加関税を最大25%に引き上げる方針を発表した。米政府が10日に発表した対中関税引き上げに対する報復措置で、米中貿易摩擦は一層エスカレートする様相を呈している。

人民元は6.92元と昨年12月24日以来の安値を付けた。1ドル=7元への急落を防ぐため中国当局が介入するとみられている。また米中間の緊張感の高まりを受け、中国による米債売却の懸念が浮上。これによりドルは円やスイスフランなど安全通貨に対して下落した。対ユーロでも一時下落したが、その後、ほぼ変わらずまで値を戻した。

CIBCキャピタル・マーケッツの北米外為戦略部門責任者、ビパン・ライ氏は「中国は米国債を大量に保有している。この事実が市場をやや脅かし、ドルの取引が他の一部主要通貨に対して消極的になっている」と述べた。またトランプ米大統領が自動車・自動車部品に追加関税を発動するかについても注目されている。

トランプ氏は2月に通商拡大法232条に基づく自動車関税報告書を商務省から受け取っており、これに基づく90日の検討期間が18日に終わる。ライ氏は「期限延長が見込まれているが、そのような兆しがない場合、株価が今週、
やや売られるかもしれない」と述べた。

ポンド/ドルは2週ぶりの安値に下落。欧州連合(EU)離脱交渉の与野党合意を巡る懸念が重し。

ドル/円 NY終値 109.30/109.31
始値 109.66
高値 109.66
安値 109.03
ユーロ/ドル NY 1.1223/1.1225
終値
始値 1.1234
高値 1.1265
安値 1.1223