[ニューヨーク 14日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、イタリアによる欧州連合(EU)の財政規律違反を巡る懸念が広がりユーロが対ドルで下落した。また米中通商協議の継続方針が伝わり、ドルの追い風となった。
イタリアのサルビーニ副首相は、雇用創出の一助になるならEUの財政規律に違反する用意があると発言。「財政赤字の対国内総生産(GDP)比率が3%、もしくは債務の対GDP比率が130─140%というように、財政規律を超える必要性に迫られた場合、われわれにはその用意ができている。失業率が5%に低下するまで、必要な財政出動を実施する。EUが苦言を呈する可能性があるが、われわれは気にしない」と述べた。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(ニューヨーク)のグローバル外為戦略部門責任者、ウィン・シン氏は、イタリア不安の再燃で市場に影響が出たと指摘した。
米中通商問題では、両国の当局者が交渉を続けると表明。トランプ大統領は、貿易摩擦は「ささいな口げんか」で、中国との通商協議は決裂していないと述べた。
シン氏は、合意見通しを巡り不透明な状況が続き、円やドルなどの安全通貨下支えにつながると予想。「不透明感があまりにも強過ぎる。事態は好転する前に悪化するだろう」と話した。
日本やEUとの交渉が続く中、市場はトランプ氏が自動車や部品に関税を課すのかを注視している。
1─3月の英賃金は低調な伸びとなり、ポンドは2週間ぶりの安値に沈んだ。EU離脱(ブレグジット)を巡る懸念も、ポンドの重しになった。
ドル/円
NY終値 109.59/109.62
始値 109.66
高値 109.75
安値 109.45
ユーロ/ドル
NY終値 1.1203/1.1205
始値 1.1229
高値 1.1238
安値 1.1202