16日、イエメンの首都サヌアで空爆後に上がる煙(AFP時事)

 【カイロ時事】イエメンの内戦に軍事介入しているサウジアラビア主導の連合軍は16日、イエメンの首都サヌアにある反政府武装組織フーシ派の武器庫や拠点などを空爆した。イランが後ろ盾のフーシ派は14日、サウジの東西を結ぶ送油管を無人機で攻撃しており、連合軍は「国際人道法に反する戦争犯罪だ」として報復を行った。

 サウジの事実上の最高権力者ムハンマド皇太子(国防相を兼務)の実弟ハリド国防副大臣は16日、ツイッターで「フーシ派は、イランが中東地域で拡張政策を実行するための道具にすぎない」と指摘。「(送油管への攻撃は)イランが命令した」と非難した。

 サウジの石油タンカー2隻がアラブ首長国連邦(UAE)沖で12日に受けた「妨害攻撃」も、米国が原油全面禁輸の制裁を科しているイランや親イラン勢力の関与が疑われている。米国とイランの対立はサウジなど中東の近隣諸国も巻き込み、緊張が高まっている。