[ニューヨーク 20日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドルがおおむね横ばいで推移した。米中通商協議の行方のほか、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がこの後に行う講演が注目されている。 

ドルはユーロに対しEUR=0.07%安の1.116ドル。ただ前週の上昇分はほぼ維持した。ウエストパック・バンキングの外為戦略部門責任者、リチャード・フラヌラビッチ氏は「この日の相場の動きを明確に示す大きなニュースはなかった」と指摘。ドルはユーロのほか円とスイスフランに対しやや下げたものの、「大きな動きは見られなかった」と述べた。 

市場はパウエルFRB議長がこの後に行う講演で、米中通商問題が米経済に及ぼす影響などについてどのような考えを示すのか注目。マニュライフ・アセットマネジメントのポートフォリオマネジャー、チャック・トームス氏は、パウエル議長の講演は「通商を巡る緊張の高まりを受けFRBが見通しを変えたかどうか、手掛かりを得ようと注目されている」と述べた。 

FRBは22日に前回の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を発表する。 

FRB当局者の間では、この日はセントルイス地区連銀のブラード総裁が独ハンデルスブラット紙に対し、「低インフレが根強ければ、これに対応して利下げをより積極的に提唱し、インフレ期待を再び2%近辺に回復させることに努める」と発言。アトランタ地区連銀のボスティック総裁はCNBCのインタビューで、米経済に対する信頼感を示し、「FRBが近く利下げを実施するとは予想していない。当然、9月までの利下げは予想していない」と述べた。 

円は対ドルでJPY=0.09%高。終盤の取引では109.96円となっている。スイスフランは対ドルでCHF=0.23%高の1.008フラン。 

ドル/円 
NY終値 110.05/110.08 
始値 109.91 
高値 110.06 
安値 109.81 

ユーロ/ドル 
NY終値 1.1170/1.1171 
始値 1.1153 
高値 1.1176 
安値 1.1154