[ニューヨーク 22日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、午後に入り公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、ドルが1カ月ぶり高値近辺を安定に的に推移した。

議事要旨からは、米連邦準備理事会(FRB)当局者が金融政策を巡る現行の忍耐強い姿勢が「当面」維持可能との見解で一致していたことが明らかになった。また、金利変更は当面不要で、年内に利上げを実施する公算は小さいとの認識も示された。

テンパスのシニア為替トレーダー兼ストラテジスト、ホアン・ペレス氏は「市場参加者は利下げに向けた悲観的な材料を探っていた」が、議事要旨は「利上げも利下げもない」との見方を示したと指摘した。会合は米中貿易摩擦が激化する前の4月30─5月1日に開かれ、貿易戦争に伴う経済リスクは主要議題にはなっていない。そのため、ドイツ銀の首席米エコノミスト、マシュー・ルゼッティ氏は「米中貿易戦争の再燃によって成長への下方リスクが高まったことが明確なため、今回の議事要旨の内容は幾分時宜にかなっていないようだ」と述べた。

主要6通貨に対するドル指数は98.071と、1カ月ぶり高値の98.134をやや下回る水準を安定的に推移。

米政府が中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)に対する規制を緩和したことを受け、市場では一部安心感が広がったものの、問題解消に向け目立った突破口に欠く中、神経質な取引は続いた。安全資産とされる円とスイスフランはそれぞれ対ドルで0.17%、0.2%上昇した。

ポンドの下げが目立ち、0.35%安の1.266ドル。一時、1月4日以来の安値を付ける場面もあった。英国の欧州連合(EU )離脱を巡り、政治的不透明性が高まっていることが圧迫した。

メイ首相は前日、離脱の是非を問う国民投票の再実施について議会に諮るなど、労働党に配慮した項目を盛り込んだ新たな離脱協定案を提示し、支持を求めた。 英下院のアンドレア・レッドソム院内総務はこの日、EU離脱に対する政府の姿勢を支持できなくなったとして辞任した。

ユーロ/ドルは0.02%安の1.115ドル。

ドル/円 NY午 110.33/110.34
後4時
始値 110.44
高値 110.45
安値 110.25
ユーロ/ドル N 1.1153/1.1154
Y午後4時
始値 1.1166
高値 1.1180
安値 1.1152