- 金融機関から米ドルか香港ドル建てのオフショアローン目指す
- ファーウェイのドル建て債は米発表以来下落、3カ月ぶり安値付近
中国の華為技術(ファーウェイ)は少数の金融機関から約10億ドル(約1100億円)の調達を模索している。トランプ政権が米市場とサプライヤーへのアクセスを遮断する動きに出てから、ファーウェイにとって初めての調達となり、同社の資金力が問われる。
情報が公表されていないことから匿名を希望した関係者によると、ファーウェイは米ドルか香港ドル建てのオフショアローンを目指している。期限は5年と7年が念頭にあるという。
トランプ政権が先週、米国企業の部品やソフトウエアをファーウェイが調達することを禁止する措置を打ち出し、ファーウェイは米中対立の中心として注目を集めるようになった。これを受けて同社のドル建て債は3カ月ぶりの安値に下落。アジアで最高の成績を上げている債券運用担当者の1人は、ファーウェイ債を売却したと明らかにした。
ファーウェイと金融機関の協議はまだ初期段階にあり、資金調達が成立する保証はないという。実現すれば、融資条件や参加銀行の顔ぶれから、ファーウェイの財務体力を市場がどう判断しているのか理解する手がかりになるかもしれない。2018年の年次報告書によると、同社は昨年12月時点で370億元(約5870億円)の無担保銀行借入残高があり、そのうち28億元が1年以内に期限を迎える。借入総額の約2.6倍に相当する現金および現金同等物を有していた。
ファーウェイはコメントの要請に応じていない。
原題:Huawei Seeks $1 Billion in First Big Funding Test After U.S. Ban(抜粋)