ロシアのプーチン大統領は、ロシアとの対話を訴えて先月就任したウクライナのゼレンスキー大統領について「いまだロシアを敵などと呼んでいる」と指摘し、現時点で対話に応じられる環境にないという見方を示しました。
ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアと対話する必要性などを訴えて初当選し、先月就任しました。しかし今週、EU=ヨーロッパ連合のトゥスク大統領と会談した際、「ウクライナのEU加盟は、ロシアの抱く帝国構想の死を意味する」などと、ロシアに対する批判的な発言をしました。
こうした発言を行ったゼレンスキー大統領について、ロシアのプーチン大統領は、サンクトペテルブルクで開かれている国際会議で「選挙の最中と終わったあとで言っていることが反対で矛盾している」と述べました。さらに「彼はいまだ私たちのことを敵だとか侵略者と呼んでいる」と述べ、現時点で対話に応じられる環境にないという見方を示しました。
ゼレンスキー大統領は議会での権力基盤を固めるため、議会選挙を当初予定されていたことし10月から来月に前倒しして実施することを決めており、プーチン大統領としては、議会選挙の行方もにらみながらウクライナへの出方を探るとみられます。