[ニューヨーク 11日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ドル指数が小幅に下落した。投資家は米中貿易摩擦や経済指標、米連邦準備理事会(FRB)による利下げの可能性を注視している。
11日の市場では前週末の米国の対メキシコ関税見送りを受け、リスクセンチメントが改善。ただ、くすぶる米中貿易摩擦などが重しになっている。
投資家は貿易摩擦が世界の経済成長を阻害することを懸念しており、米利下げが必要になるとの見方が強まっている。
米労働省が11日発表した5月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は2カ月連続で上昇したが、インフレ圧力は依然として弱いままだ。
今週は12日に消費者物価指数(CPI)、14日に小売売上高の発表が予定されている。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(ニューヨーク)の外為戦略部門グローバル責任者、ウィン・シン氏は「足元が低インフレ環境であることは分かっているが、問題は米経済の成長ストーリーだ」と述べた。
米中通商協議を巡り、米国のロス商務長官は11日、CNBCのインタビューで「G20は決定的なディールを行う場ではない」とし、「G20では良くて将来への道筋に関する何らかの合意が得られる可能性があるが、決定的な合意はない」と述べた。
トランプ米大統領は、中国との通商協議について、中国側が4、5項目の「主要な点」で再び合意しない限り、協議を先に進めない姿勢を示した。
トランプ氏はまた、一連のツイートで欧州の通貨政策のほか、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策を批判した。
CMEグループのフェドウォッチによると、金利先物市場が織り込む7月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率は約80%となっている。
ドル/円
NY終値 108.50/108.54
始値 108.73
高値 108.79
安値 108.44
ユーロ/ドル
NY終値 1.1329/1.1334
始値 1.1312
高値 1.1337
安値 1.1303