• 合意を先延ばししているのは私だとトランプ大統領
  • 首脳会談に関する情報入れば発表すると中国外務省報道官

トランプ米大統領は11日、中国との通商交渉の合意を自分が個人的判断で滞らせていると述べ、中国が今年交渉済みの条件に立ち戻らない限り、最終合意するつもりはないと言明した。

  「合意を先延ばししているのは、実は私だ」とトランプ氏は記者団に発言。「中国とは素晴らしい合意をまとめるか、まったく合意なしで終わるかのどちらかだ」と語った。

President Trump Departs White House For Iowa
報道陣に語るトランプ大統領(6月11日)Photographer: Sarah Silbiger/Bloomberg

  米国は先月、中国が暫定合意した条項について翻意したと非難し、協議は滞った。トランプ大統領は、「われわれは中国と合意しており、中国がこの合意に立ち返らない限り、私は興味がない」と述べた。

  トランプ大統領は10日、中国の習近平国家主席が20カ国・地域(G20)首脳会合(大阪サミット)での会談に応じない場合、中国からの輸入品への関税率を引き上げると警告。中国からの輸入品約3000億ドル(約32兆5000億円)相当に25%もしくは「25%よりはるかに高い」関税を賦課する可能性があると、ホワイトハウスで記者団に語った。

  中国外務省の耿爽報道官は11日に北京で、「米国がG20サミットに合わせて米中首脳会談を行う期待を幾度も表明していることにわれわれは注目している。これに関する情報が入れば、いずれ発表する」と述べた。

  トランプ大統領は11日、大阪サミットでの習主席との会談への期待をあらためて表明した。

  今月28、29日の大阪サミットは、米中両首脳にとってこのところ激化している米中貿易戦争を収束する最後のチャンスの1つになる。関税合戦に加え、米国は華為技術(ファーウェイ)をブラックリストに載せ、中国の他の大手テクノロジー企業にも脅しをかけた。一方、中国は米国の「信頼てきない」企業のリストを作成し、制限を加えることも辞さない構えだ。

  ホワイトハウスのマルバニー大統領首席補佐官代行は11日、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)主宰のイベントで、G20会合の際に米中首脳会談が行われると予想していると述べた上で、最終合意に至ることはないとの見通しを示した。

原題:Trump Says He’s Holding Up Trade Deal With China Ahead of G-20(抜粋)