[パリ 12日 ロイター] – 仏自動車大手ルノーのスナール会長は、ルノー筆頭株主である仏政府の介入を巡り怒り心頭に発しており、マクロン大統領に面会を申し入れたものの、マクロン氏は面会を拒否したという。複数の関係筋がロイターに明らかにした。 

欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)が提案したルノーとの統合計画は、仏政府が難色を示したことで撤回に追い込まれた。ルメール経済・財務相は反対理由について、FCAの提案はルノーと日産自動車の提携関係を尊重しておらず、ルノーや仏国内の利益を保証するためにも早急であってはならないと説明していた。 

こうした中、ルノー側は、日産が今月25日の定時株主総会で提出するガバナンス(企業統治)改革議案について、投票棄権を検討する意向を表明したが、その後ルメール氏が日本側からの反発を和らげるため、ルノーと日産の提携強化のためなら仏政府のルノーへの出資比率を引き下げる用意があると述べたと伝わり、スナール氏の不満は一層募ったという。 

ある関係筋によると、スナール氏は政府トップレベルからの支援を得るつもりだと周囲に述べ、マクロン大統領に面会を要請。しかし大統領府は面会を拒否したという。 

大統領府の当局者は12日、「マクロン大統領にスナール氏との面会予定はない」と明らかにした。ルノーはコメントを控えた。ある関係筋は、スナール氏とマクロン大統領は「テキストで定期的に連絡を取り合っている」と指摘。また別の関係筋は、仏政府がスナール氏の交代を検討しているわけではないとした。 

スナール氏は12日、ルノーと日産の提携強化が優先課題との考えを示した。