[ドバイ 12日 ロイター] – 安倍晋三首相は12日、イランの首都テヘランでロウハニ大統領と会談した。安倍氏は共同記者会見で、イランと米国の対立を受け、中東地域での意図しない衝突を防ぐべきだと述べた。両首脳は会談で、経済関係のほか2015年のイラン核合意などについて意見を交換した。 

ロウハニ大統領は「安倍首相は会談で、日本はイラン産原油の輸入を継続することに関心があると語った」と述べた。 

安倍首相はこれについて直接言及はしなかったが、中東地域のいかなる衝突も回避する必要があるとの考えを表明。中東の平和と安全は世界の繁栄に必要不可欠で、武力紛争はあらゆる手段を講じて阻止する必要があると述べた。その上で、緊張緩和に向けできる限り役割を果たす意向を示し、そのためにイランを訪問したと語った。 

首脳会談に先立ち、イラン当局者はロイターに対し、米国によるイラン産原油への制裁の緩和に向け、イラン政府と米政府の仲介をイランが日本に要請する方針であることを明らかにした。 

米政府は4月、イラン産原油の禁輸措置について、日本を含む8カ国・地域に対する適用除外措置を打ち切ると発表し、5月1日までに輸入を全面停止するよう求めた。これを受け、日本もイランからの原油輸入を停止している。 

また、ロウハニ大統領は「地域と世界の安全保障に重要な核合意にイランは引き続きコミットしている」とし、「イランも日本も核兵器には反対している。イランは二度と戦争を引き起こすことはしない。ただ、いかなる侵攻にも対抗する」と述べた。 

さらに「緊張の原因は米国がイランに仕掛けた経済戦争だ。それが終われば、この地域や世界で前向きな進展が見られる」と述べた。 

日本の首相によるイラン訪問は1979年のイスラム革命以降、初めて。安倍首相はイラン最高指導者のハメネイ師とも会談する。