[モスクワ 20日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領は20日、トランプ米大統領が望むなら米ロ首脳会談に臨む用意があると述べた。ただ、トランプ氏が2020年の大統領選への出馬を正式に表明したことで米ロ関係が複雑になる可能性があるとの見方も示した。 

プーチン大統領はテレビを通じた毎年恒例の国民対話で、トランプ大統領を巡る質問に対し「対話はどんなときでも良いものだ。対話に対する需要は常に存在している」とし、「米国が関心を示せば、当然対話を行う用意がある」と述べた。 

米ロ首脳会談が実現すれば、経済関係を含む両国関係の正常化に向けた一助となると指摘。米国とサイバーセキュリティーについても協議したいと語った。 

また、米ロ間には戦略的な核の安定を含む多くの懸案があると述べた。米国と旧ソ連(ロシア)が1987年に結んだ中距離核戦力(INF)廃棄条約については双方が破棄を表明しており、広範な軍拡競争への懸念が出ている。 

プーチン氏はこのほか、トランプ氏が次期大統領選への出馬を表明したことで状況が複雑化する可能性があると指摘。「米国の内政面で何が起きているのか、われわれは理解している。トランプ氏がロシアに対し何らかの措置を行い、何かについて語りたいと思ったとしても、大幅に制限されることになる」とし、「トランプ氏の今後の発言は再選を意識したものになるため、米ロ関係は単純にはいかなくなる」と述べた。 

トランプ大統領は前日、来週大阪で開催される20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせ、プーチン大統領と会談する見通しであることを明らかにしている。