[ロンドン 20日 ロイター] – イングランド銀行(英中央銀行)は20日、第2・四半期の経済成長率見通しをゼロとし、先月時点の予想(0.2%増)から下方修正した。世界の貿易摩擦に伴うリスクや、合意なき欧州連合(EU)離脱不安の高まりに警戒感を示した。
政策金利を0.75%に据え置くことも全会一致で決定した。据え置きは予想通り。国債買い入れ枠も予想通り、4350億ポンドに据え置いた。
声明で「世界的に貿易摩擦が激化し、国内では合意なきEU離脱の可能性が高まった」と指摘。当初3月とされたEU離脱期限に向け、今年に入り各企業が急速に在庫積み増しに動いた影響が出た可能性も示唆した。
国内の金融情勢は5月以降緩和したとし、経済成長や余剰需要、インフレ見通しを押し上げる方向に波及するとした。
ただ、インフレ圧力を巡ってはまちまちの認識を示した。労働市場が引き続き逼迫する中でも、賃金上昇が横ばいとなる兆候は強まっていると指摘した。
INGのエコノミストは「総合的に考えて、想定よりややハト派的だった」と話す。英中銀は、利上げの可能性を市場が過小評価しているいう警告を強めなかったとも指摘した。
キャピタル・エコノミクスのエコノミストは「合意なき(EU)離脱となれば、金融政策委員会は速やかにトーンを変え、利下げで景気下支えに動くだろう」と予想した。
市場では、向こう数年間利上げはないという見方が強まり、英ポンドがユーロやドルに対して下落した。