[ニューヨーク 21日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、米国の利下げ期待を背景にドルが3日続落。主要通貨に対して3カ月ぶりの安値を付けたほか、対ユーロでも3カ月ぶりの水準に値下がりした。

米欧の金融政策を巡っては米連邦準備理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)が今週、緩和策にオープンな姿勢を表明している。コロンビア・トレッドニードル・インベストメント(ミネアポリス)のシニア金利・通貨アナリスト、エド・アルフセニ氏は「これからFRBとECBの緩和競争が始まる」と予想した。

来週は大阪20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に合わせて米中首脳会談が開かれる。ただ両国の通商問題が決定的に打開する可能性は低いとみられる。

主要6通貨に対するドルは対ユーロで0.67%安の1.1368ドル。一時
3月22日以来の安値を付けた。主要6通貨に対するドル指数は0.42%安の96.219。一時96.204と3月21日以来の安値。経済指標で6月のマークイット米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が50 .1と約10年ぶりの低水準を記録した。

市場では早ければ7月にも利下げがあると予想。CMEグループのFEDウオッチによると、金利先物が織り込む年内の利下げ幅は最低でも0.75%ポイントとなっている。海外市場で円は対ドルで107.045円と今年1月3日の高値を付けた。足元では107.33円と横ばい。

トランプ大統領は21日、イランによる米軍の無人偵察機撃墜に対する報復措置として軍事攻撃を承認したものの、その後撤回したことについて、軍事攻撃は無人偵察機の撃墜に対する報復措置としては釣り合いが取れないと判断したためだと説明した。

トランプ氏の発言を受け、当初の円買いが後退したという。BKアセットマネジメント(ニューヨーク)のマネジングディレクター、ボリス・シュロスバーグ氏は「イラン側は米国による対話の提案を拒否しているため、緊張は引き続き高まっている。ただ衝突の危険性は多少和らいでいるようだ」と話した。

ドル/円 
    NY終値 107.30/107.33
始値 107.55
高値 107.73
安値 107.31
ユーロ/ドル 
    NY終値 1.1366/1.1370
始値 1.1307
高値 1.1377
安値 1.1302