【マイアミ時事】来年秋の米大統領選に向けた民主党の初の候補者討論会の2日目が27日夜(日本時間28日午前)、南部フロリダ州マイアミで行われた。各種世論調査で支持率トップを走るバイデン前副大統領(76)は、トランプ大統領が実施した「富裕層のための減税」を廃止する考えを表明した。
バイデン氏はトランプ氏の減税で中産階級が恩恵を受けていないと強調。「米国をつくったのはウォール街でなく中産階級だ。貧しく勤勉な中産階級を再生する」と訴えた。
支持率でバイデン氏を追うサンダース上院議員(77)も、トランプ氏の減税が潤すのは「1%の富裕層」だと指摘。労働者の低賃金と高騰する医療費や学費に触れ、「ウォール街と戦う度胸がなければ何も変わらない」と格差是正の必要性を強調した。
両氏の考えの違いは医療保険問題で出た。サンダース氏は、全国民に公的医療保険を適用する国民皆保険制度を創設すると表明。これに対し、バイデン氏は「(オバマ前政権の医療保険制度改革)オバマケアを土台にすべきだ」と述べ、民間保険を全て公的保険に置き換える急進的なサンダース氏の案に異を唱えた。