トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領は28日、大阪市で開かれている20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の会場で会談し、核軍縮協議の継続で一致した。トランプ氏は協議に中国が参加する必要性を強調した。米ロ首脳会談は、モラー特別検察官が3月にロシア疑惑の捜査を終結して以降初めて。本格的な会談は昨年7月のフィンランド以来となる。
ホワイトハウスによると、米ロ首脳は中国を含む多国間の枠組みを念頭に置いた「21世紀の軍縮」の協議を続けることを申し合わせた。2021年に米ロの新戦略兵器削減条約(新START)が期限切れを迎えることや、中距離核戦力(INF)全廃条約が8月に失効することを踏まえているとみられる。
また、米ロ関係の改善が両国と世界の利益になるとの認識を共有。イランやシリア、ベネズエラ、ウクライナの情勢についても意見交換した。ただし両国の隔たりは大きく、実質的な歩み寄りがあったのかどうかは不透明だ。
トランプ氏は冒頭、「われわれは非常に良い関係だ」と強調。プーチン氏も昨年7月の会談で話し合ったことに関し「(対話を)継続する良い機会だ」と応じた。トランプ氏はプーチン氏をファーストネームの「ウラジーミル」と呼び、握手を交わして友好ムードを演出した。
記者団から、20年の米大統領選に介入しないようロシア側に要求しないのか問われると、トランプ氏は「もちろんする」と答え、プーチン氏の方を向いて「選挙に介入するな」と念を押した。プーチン氏は笑みを浮かべて聞いていた。