【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)は28日、ブラジルやアルゼンチンなど4カ国の南米南部共同市場(メルコスル)との自由貿易協定(FTA)に政治合意したと発表した。約20年にわたった難交渉が決着。発効すれば、人口約7億8000万人を擁し、日本とEUの経済連携協定(EPA)などと並ぶ巨大自由貿易圏が誕生する。
マルムストローム欧州委員(通商担当)は合意後に記者会見し、「歴史的瞬間だ。互恵的で開かれた、ルールに基づく貿易を支持するという明確なメッセージだ」と強調した。ブラジルのボルソナロ大統領もツイッターで「史上最も重要な貿易協定の一つになる。経済に巨大な利益をもたらす」と歓迎した。
FTAでは、自動車・同部品や衣料、ワインなど欧州から南米に輸出される物品のうち91%の関税を撤廃。欧州企業は年間40億ユーロ(約4900億円)以上の恩恵を受けるという。欧州に輸出される南米の物品は92%が関税撤廃対象となる。