米供給管理協会(ISM)が1日発表した6月の製造業総合景況指数は、前月に比べて低下。ただ、市場予想ほどは落ち込まなかった。新規受注が失速したが、生産と雇用が改善した。貿易を巡る不透明感や海外経済減速の影響が浮き彫りになった形だ。
キーポイント |
・6月のISM製造業総合景況指数は51.7-5月は52.1 ・3カ月連続の低下 ・2016年10月以来の低水準 ・ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値の51.0は上回った ・新規受注が50.0に低下 ・15年12月以来の低水準 ・指数は50が活動の拡大・縮小の境目 |
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- 製造業は欧州やアジアでも弱さが示されており、今回の米ISM製造業指数もそれらと整合的だ。先週末の米中首脳会談後に発表された通商問題での「休戦」が製造業の安定化に寄与する可能性はあるが、低調な世界経済は引き続きメーカーにとって懸念要因となる
- 6月は生産指数が改善。5月は約3年ぶりの低水準だった。これが雇用指数の2カ月連続の上昇につながった可能性がある。この2項目の上昇が、ISM製造業景況指数が市場予想を上回るのに寄与した
ISMの見解
- ISM製造業調査委員会のティモシー・フィオレ会長:
「新規受注がもっと増える必要がある。製造業のエンジンには新規の受注が必要だ」-電話会議で
詳細
- 6月の受注残は2カ月連続で50を下回り、モノへの需要が依然弱いことを示唆。在庫も低下して50を下回った。企業が膨らんだ在庫を縮小し始めていることを示唆
- 仕入れ価格は47.9に低下し、16年2月以来の低い水準。前月は53.2だった。最近の原油相場下落を一部反映しているほか、経済のインフレ圧力不足を浮き彫りにしている
- 統計の詳細は表をご覧ください
原題:U.S. Factory Gauge Drops Less Than Forecast But Orders Stall (1)(抜粋)