[ニューヨーク 1日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、米中通商協議の再開を受けてドルが2週間ぶりの高値に浮上。米中貿易摩擦が緩和されたことで日本円やスイスフランなど安全通貨が売られた。

トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は29日の会談で、5月以降停止していた通商協議を再開することで合意した。トランプ氏は第4弾の対中追加関税の発動を棚上げし、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)に対する禁輸措置を緩和する方針を表明。中国は米国産農産物の購入を拡大するとし、事前の想定よりもポジティブな内容となった。

ただ、市場参加者の姿勢はなお慎重だ。ナットウエスト・マーケッツの米国担当シニアエコノミスト、ケビン・カミンズ氏は、5月に合意間近とみられていた米中協議が決裂したことなどを挙げ、「行動の先延ばしが必ずしも近い将来の完全な通商合意につながるとは限らない」とし、「不確実性は長引くだろう」と述べた。

一方、オフショア人民元は0.5%超上昇し、一時1ドル=6.8165元と約2カ月ぶり高値を付けた。その後、財新/マークイットが発表した6月の中国製造業購買担当者景気指数 (PMI)が1月以来の低水準を記録したことを受け、6.8476元まで伸び悩んだ。

米供給管理協会(ISM)が1日公表した6月の製造業景気指数は51.7と市場予想の51.0を上回ったこともドルの追い風となった。ドル指数は0.8%高の96.848。一時、約2週間ぶりの高値となる96 .867まで上昇した。ユーロは0.8%安の1.1283ドル。円は対ドルで0.5%安の108.47円。一時108.53円と2週ぶりの安値を付けた。

スイスフランも対ドルで1.2%安の0.9839フラン。一時0.9884
フランと2週ぶりの安値を付けた。

ドル/円 
    NY終値 108.43/108.46
始値 108.24
高値 108.48
安値 108.24
ユーロ/ドル 
    NY終値 1.1285/1.1286
始値 1.1335
高値 1.1359
安値 1.1282