台湾で日本酒やみそなど15品目の食品の関税が引き下げられることになり、台湾当局にはTPP=環太平洋パートナーシップ協定への参加に向けて日本に協力を求めるねらいがあるものとみられます。
台湾の蔡英文政権は、日本酒やみそ、温州みかんなど15品目の加工品や農水産物の関税を引き下げる、税に関する規則の改定案を議会に提案し、3日、賛成多数で可決されました。
これによって関税率は、日本酒が40%から20%に、みそや温州みかんが30%から15%にそれぞれ引き下げられます。
蔡政権は、東京電力福島第一原発の事故後から台湾で続く、福島など5つの県からの食品輸入の規制緩和を検討していましたが、去年、継続を求める住民投票が成立し、規制緩和の見通しは立っていません。
こうした中で蔡政権が日本酒などの関税を引き下げることについて、地元メディアは輸入規制の緩和に代わる措置だと指摘し、野党からは反発も出ています。
蔡政権は、これまで日本に対してTPPへの参加の協力を繰り返し呼びかけていますが、日本側は規制緩和が行われないことに不満を示していて、蔡政権には関税引き下げを行うことで日本側の協力と理解を求めるねらいがあるものとみられます。