- 輸入は3.3%増と、増加率は過去4年で最大
- 対中貿易は輸出入ともに拡大-トランプ大統領による追加関税の中
米商務省が3日発表した5月の米貿易赤字は予想以上に拡大し、5カ月ぶり高水準となった。輸入は2015年以降で最大の増加。トランプ大統領の通商政策が経済の重しになりつつある状況が示された。
キーポイント |
・5月の貿易赤字は8.4%拡大し、555億ドル-市場予想は540億ドル ・前月は512億ドル(速報値508億ドル)に修正 ・輸入は3.3%増、輸入は2%増 ・財の対中赤字は301億ドルに拡大 |
インサイト
- 対中貿易は、輸入・輸出ともに増加-トランプ大統領が5月に発表した追加関税が発動される前に、企業が出荷を急いだ可能性がある
- 貿易赤字の拡大は、米中の関税合戦を含む政策が米国の企業活動や経済成長に悪影響を与え続けていることを示す
- 直近のエコノミスト調査では、4-6月(第2四半期)の米実質国内総生産(GDP)は年率1.8%増と、1-3月(第1四半期)の3.1%増からの減速が見込まれている
詳細
- 輸出額は2106億ドル-乗用車や大豆、資本財、消費財が伸びた
- 輸入額は2662億ドル-原油や自動車、資本財、消費財が増えた
- 財の対メキシコ赤字(季節調整前)は96億ドルと過去最大に拡大-輸入が急増
- GDPの算出に使用されるインフレの影響を除いた実質財収支の赤字は870億ドルと、前月の822億ドルから拡大
- 統計の詳細は表をご覧ください
原題:U.S. Trade Gap Widens by More Than Forecast to Highest in 2019(抜粋)