【ワシントン=住井亨介】米CNNテレビは10日、米当局者2人の話として、イラン革命防衛隊の小型艇がホルムズ海峡で英国のタンカーの拿捕(だほ)を試みたが失敗したと報じた。護衛に当たっていた英海軍のフリゲート艦が警告したため未遂に終わったという。
報道によると、ペルシャ湾を出てホルムズ海峡を通過する海域を航行中だったタンカーに、5隻の小型艇が接近。進路を変更してイラン領海近くで停船するよう命じたという。
タンカー後方で護衛していたフリゲート艦が小型艇に対して機関砲の照準を合わせたうえ、口頭で警告をしたため遠ざかった。米軍の航空機が現場上空を飛行中で、状況を録画しているという。
ロイター通信によると、タンカーの拿捕未遂に先立ち、イランのロウハニ大統領は10日、英領ジブラルタルの自治政府がイランの大型タンカーを拿捕したことに関し、「英国は(重大な)結果を見ることになる」と国営テレビを通じて報復措置の可能性を示唆していた。
ロウハニ師は「英国のタンカーがこの地域を航行したいなら、(護衛のため)フリゲート艦が必要だ」とも述べていた。