- ECBは6月5、6両日の会合の議事要旨を公表
- フォワードガイダンスやTLTRO条件について異なる意見も
欧州中央銀行(ECB)政策委員らは6月会合で、ユーロ圏経済に対する一段の刺激策を準備することでまとまった。採用する政策手段については異なる意見が噴出した。
11日公表された6月5、6両日の会合の議事要旨は、「不確実性の高まりとその長期化見通しに照らして、あらゆる手段を調整することにより金融政策姿勢を一段と緩和する準備が必要だとの見解で、政策委員会に幅広い一致があった」ことを明らかにした。
議事要旨によれば、メンバーらはまた、チーフエコノミストのレーン理事による政策提言に大筋で同意。ただ、金利に関するフォワードガイダンスや銀行向け長期資金供給の条件など個別の要素については「若干の異なる意見」が表明された。
第3次条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)に関しては「金融政策姿勢への貢献をさらに強めるために第2次TLTROにより近い条件とすることを支持する声もあった」。また 「金利フォワードガイダンスの時期的な部分を延ばすのは適切だと広く見なされた」という。
一方、ガイダンスの示唆する金利据え置き期間が市場の期待に徐々に近づいていくことによって、ガイダンス固有の「時間的な要素の価値が低下したと見なされる恐れがある」との懸念も示された。ECBはこの会合で、過去最低の金利を少なくとも2020年上期いっぱい据え置く方針を表明した。
原題:ECB Policy Makers Agreed on Need to Prepare for Policy Easing(抜粋)