韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領は、日本政府が韓国への輸出規制を厳しくしたことについて「外交的な努力や協議もなく、一方的だ」と批判したうえで、韓国企業が輸入先の多角化や国産化を進めるとして「日本経済により大きな被害が及ぶことになる」と警告しました。
これは、韓国のムン・ジェイン大統領が、15日午後、大統領府で開かれた会議で述べたものです。
この中でムン大統領は、日本政府が今月4日から韓国に対する半導体の原材料などの輸出規制を厳しくしたことについて「過去の問題と経済問題を関連づけたことは関係発展の歴史に逆行する。外交的な努力や協議もなく、一方的な措置を電撃的に取った」と批判しました。
そのうえで、韓国企業は日本への依存から脱却するため、半導体の原材料などの輸入先の多角化や国産化を進めるとして「日本経済により大きな被害が及ぶことになる」と警告しました。
さらに、韓国に輸入された、兵器に転用可能な戦略物資が北朝鮮に流出した疑いがあると日本政府が指摘したと韓国政府が主張していることに関連して、ムン大統領は「制裁の枠組みの中で南北関係の発展と朝鮮半島の平和のために全力を挙げているわが政府への重大な挑戦だ」と述べ、不快感をあらわにしました。
日韓の間では、先週行われた事務レベル会合で双方の隔たりが浮き彫りになったばかりで、ムン大統領としては悪化している対日世論も踏まえ日本に厳しく臨む姿勢を印象づけたい思惑があるとみられます。