• 自分が望めば対中関税とトランプ氏、下方リスク注視とFRB議長
  • 米小売売上高、ゴールドマン決算、「リブラ」計画に厳しい追及

自分が望めば中国からの輸入品に追加関税を課すことは可能だ-。トランプ米大統領があらためてこう表明したことが嫌気され、前日に史上最高値を更新した米国株式相場は反落しました。月内の利下げがほぼ確実視される中、投資家は通商対立が引き続き相場の重しであることを意識させられた形です。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

武器ちらつかせる

トランプ氏はホワイトハウスでの閣議で、われわれがそのつもりなら対中関税についてはまだ多くの余地を残しているとし、「自分が望めば、さらに3250億ドル(約35兆1800億円)相当の中国製品に関税を課すことができる」と述べた。トランプ氏は先月の20カ国・地域(G20)首脳会議にあわせて中国の習近平国家主席と会談した際に貿易戦争の「休戦」で合意し、中国製品への追加関税発動を先送りすると表明していた。

「適切に行動」

パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は、米金融当局が米経済成長の下方リスクを「注視して」おり、「景気拡大を支えるために適切に行動する」と述べ、先週の議会証言で示した懸念をあらためて表明した。パリのフランス銀行(中銀)で開催された夕食会で同議長は、経済成長に関する米金融当局の基本シナリオは「引き続き堅固」だとした上で、「特に貿易を巡る動向と世界経済の面で、この見通しに対する不確実性は増してきている」と語った。

利下げ議論に響くか

6月の米小売売上高は前月比0.4%増と、エコノミスト予想(0.2%増)を上回る伸び。市場が見込んでいる7月の利下げの前に、消費が既に回復傾向にあったことが示唆され、30、31両日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)での議論が複雑になる可能性もある。また6月の米鉱工業生産指数のうち、製造業生産も市場予想を上回る伸びを記録した。自動車生産の堅調な増加が寄与した。

ゴールドマンがトレンドに逆行

ゴールドマンの4-6月(第2四半期)決算は、トレーディング収入の減少幅が市場想より小幅にとどまった。株式トレーディング収入は予想に反して増加。ウォール街の幹部らは顧客活動の低迷が第2四半期のトレーディング収入を押し下げるとみていた。JPモルガン・チェースはトレーディング収入が4四半期連続で減少。同行は下期の純金利収入が減少する見通しであることを明らかにした。

火遊びする幼児

フェイスブックのデジタル通貨「リブラ」は、上院銀行委員会の公聴会で共和・民主両党の議員から厳しい追及を受けた。公聴会では、火遊びで家を火事にしてしまう幼児にフェイスブックを例えた発言が出たほか、同社が個人のプライバシーを繰り返し侵害したことへの批判が挙がった。リブラへの懐疑的な見方はワシントンで広がっており、計画実現に向けてフェイスブックが直面する課題の大きさを浮き彫りにした。

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