• クローバー・テクノロジーズのローン、約48時間で3分の1の価値失う
  • 利回り追求が借り入れ増大と緩い引き受け基準をもたらしている

インクジェットカートリッジから携帯電話までさまざまなもののリサイクルを手掛けるクローバー・テクノロジーズのローンの価格が急落した。

同社が5年前に借り入れた6億9300万ドル(約750億円)のローンがこの1週間に、約48時間の間にほぼ3分の1の価値を失った。その驚異的な値下がりで、企業向けローンの売買を手掛ける熟練の投資家さえも損失を被った。

クローバーのローンの規模はウォール街の基準では特に大きくはないが、その急激で大幅な値下がりはあらためて市場に警鐘を鳴らした。規制当局は数カ月前から警告を発しているが、クローバーの件は、世界的な利回り追求が借り入れ増大と緩い引き受け基準をもたらしているレバレッジドローン市場のリスクを浮き彫りする事例となった。取引が薄くなる可能性のある市場で、非流動性が突然クレジット市場の主要な懸念材料となっている時期に、レバレッジの高い企業向けのローンがいかに急速に値崩れし得るかをこの例は示している。

流動性の低さを考えると、買い手が「同時に売ろうとすれば、価格は急激に下落し得る」と、債務再編を専門とする投資銀行GLCアドバイザーズのソーレン・レイナートソン氏が述べた。

4Lテクノロジーズ(クローバーの法的な社名)およびそのオーナーのプライベートエクイティー投資会社ゴールデン・ゲート・キャピタルの担当者はコメントを控えた。

Clover term loan dives to distressed levels

原題:A Leveraged Loan Collapses and Reveals Key Risk in Credit Market(抜粋)