米国の研究機関「C4ADS」は16日、国連安全保障理事会決議違反となる北朝鮮へのぜいたく品の輸出状況についてまとめた報告書を発表し、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が乗る高級車が大阪などを経由して北朝鮮に密輸された可能性があると明らかにした。

 報告書では、50万ドル超とされるドイツ製防弾仕様車「メルセデス・マイバッハS600ガード」の輸出経路を調査。この車を載せた貨物船は2018年6月にオランダ・ロッテルダムを出港後、中国・大連、大阪、韓国・釜山を経由し、ロシア・ナホトカに到着。その後、車はウラジオストクから輸送機で同年10月に平壌に運ばれたとみられるという。

 一方、15~17年には、日本車256台を含む計803台の乗用車がロシア企業を通じ、北朝鮮に密輸されたと指摘。最も多かったのがロシア車「UAZ」の537台。日本車はトヨタの高級車ブランド・レクサスが145台、トヨタ車が66台、日産車が43台、三菱車が2台だったという。(ワシントン=園田耕司)