[ニューヨーク 23日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、前日にトランプ大統領と議会指導部が2年間の借り入れ権限の延長と歳出枠の設定で合意したことを受け、ドル指数が約5週間ぶりの水準に上昇した。
米連邦債務は9月9日までに上限に達すると予想されており、借り入れ権限の延長なしでは資金が枯渇し、米国債の償還ができないデフォルト(債務不履行)に陥る恐れがあった。
モルガン・スタンレーのアナリストによると、財務省の資金は4月下旬の4230億ドルから約1950億ドルに目減りしていたが、合意を受け財務省は借り入れを増やすことができる。財務省の借り入れ増加による銀行システム内の資金は減少することからドル支援要因になる。モルガン・スタンレーのストラテジストは「余剰準備金は減少し、ドルが支援される」と述べた。
国際通貨基金(IMF)はこの日に公表した四半期経済見通しで世界経済見通しを下方修正したものの、米国の2019年の成長率見通しは上方修正。ドルの支援要因となった。
このほか、ブルームバーグが関係筋の話として米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表らが来週29日に北京を訪問し、中国側の高官らと通商協議を行うと報じたことも支援要因となった。
終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.47%高の97.716。一時は97.718と、約5週間ぶりの高水準を付けた。
ユーロEUR=EBSは軟調。欧州中央銀行(ECB)が10ベーシスポイント(bp)の利下げを実施するとの観測は後退しているものの、ガイダンスはハト派的になるとの見方のほか、ECBは長期流動性供給オペ(LTRO)についてより寛容な条件を打ち出すとの見方が出ている。
ユーロは対ドルで1.1148ドルと、5月31日以来の安値を更新。対円では120.49円と、1月3日以来の安値を付けた。
英国では与党・保守党がボリス・ジョンソン氏を次期党首に選出。24日に首相に就任する。ジョンソン氏はEUと条件などで合意できなくても期日通り10月末に離脱する方針を示していることから、英ポンドは下落。対ドルGBP=D3で0.31%安の1.244ドルと、前週に付けた2年3カ月ぶりの安値である1.2382ドルに迫った。
ドル/円
NY午後4時 108.23/108.26
始値 108.09
高値 108.28
安値 108.04
ユーロ/ドル
NY午後4時 1.1148/1.1149
始値 1.1181
高値 1.1184
安値 1.1147