- 米代表団は31日まで上海に滞在予定だと関係者が語る
- 幅広く議論するも重要な問題での打開は見込めないと政府高官
米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表と複数の米政府高官は、中国に向けて29日に出発する予定だ。米中の通商交渉担当者による協議が5月に頓挫して以降、ハイレベルでの対面交渉は初めて。
訪中計画について知る複数の関係者が匿名を条件に語ったところによれば、ライトハイザー代表が率いる少人数のチームは31日まで上海に滞在する予定。政府高官によると、協議では未解決の問題が幅広く議論される見通しだが、重要な問題での打開は見込めないという。
トランプ氏と中国の習近平国家主席は6月29日、大阪での20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて会談を行い、貿易戦争の「休戦」で合意。その後、ムニューシン財務長官とライトハイザー氏は中国高官と電話協議を行ってきた。
中国側は今回の協議を北京でなく上海で開くよう要請したと、政府高官が明らかにした。
ただ米当局者らは中国と速やかに合意に至る可能性は低いとしている。ロス商務長官は23日、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「適正な合意を結ぶか、さもなければ関税賦課を進めるというのが大統領の目指すところである以上、どのくらいかかるかは分からない」と発言。「重要なのは合意するとしたら、適正で非常に良い内容にすることだ。これが最優先の目標であり、正確な時期よりもはるかに重要だ」と語った。
米国が中国に求める構造改革や、中国が主張する米制裁関税の撤回などを巡り両国の溝は埋まっていない。この数週間の協議は華為技術(ファーウェイ)と米農産品購入が中心であり、米国が合意に盛り込むよう主張する構造改革問題は議論されていない。
事情に詳しい複数の関係者によると、来週の米中協議は前向きの一歩にはなるが、実のある交渉というよりは現状に関する幅広い話し合いにとどまる可能性が高いという。両国が5月に合意条件で対立し決裂して以来、協議を深める出発点が定まらない状況が続いている。
原題:U.S. Negotiators to Head to China Monday for Face-to-Face Talks(抜粋)