- 検索やソーシャルメディア、ネット小売りへの懸念を調査-司法省
- IT大手は連邦議会による調査にも直面してきた
米司法省は23日、支配的な地位にあるIT大手が反トラスト法(独占禁止法)に違反してそれぞれの市場で競争を阻害していないかどうか調査すると発表した。各社に対する監視強化を意味する。
同省は声明で、検索やソーシャルメディア、ネット小売りに関して消費者や企業、起業家が示してきた懸念を反トラスト局が調査すると説明した。特定の企業名には言及していない。
司法省反トラスト局のデルラヒム局長は、「市場に依拠した有意義な競争という規律がない状態ではデジタルプラットフォームは消費者の需要に対応しない行動を取る可能性がある」と指摘。「司法省の反トラスト審査はこうした重要な問題を探る」と述べた。
調査開始の報道を受け、フェイスブックとアマゾン・ドット・コム、グーグルの親会社アルファベット、アップルの株価は米株式市場の時間外取引で下落。ニューヨーク時間23日午後5時49分(日本時間24日午前6時49分)時点でフェイスブックは1.5%、アマゾンは1%未満の下げとなった。
アマゾンとグーグル、アップル、フェイスブックはいずれもコメントを控えた。
IT大手は莫大(ばくだい)なユーザー情報の収集やコンテンツ監視の不備で批判を浴びてきたほか、市場の競争を阻害して消費者の選択肢を狭めていると指摘されており、連邦議会や反トラスト当局による監視に直面してきた。
先週、下院司法委員会の反トラスト小委員会は「GAFA」と呼ばれるグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルの幹部を呼び、公聴会を開いた。同小委はこれらの企業が競争と技術革新を妨げているかどうかを調査している。
同小委のシシリーニ委員長(民主)は23日、フェイスブックとアマゾン、グーグルに宛てた質問状で、3社の「曖昧かつ不完全で誤解を招く恐れがある回答」に「深く困惑している」と述べた。
司法省の今回の調査に先立ち、同省反トラスト局がグーグルとアップル、連邦取引委員会(FTC)がフェイスブックとアマゾンを担当して調査の下準備を進めていた。
FTCは今年2月、IT大手の運営や業界の過去の取引を調べる特別委員会を設置した。司法省の調査については、先に米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が伝えていた。
原題:Big Tech Hit With Broad U.S. Antitrust Probe as Scrutiny Mounts(抜粋)