[ワシントン 24日 ロイター] – ロシアの米大統領選干渉疑惑を捜査したモラー元特別検察官(74)は24日、下院の司法委員会と情報特別委員会の公聴会で証言し、司法妨害を巡るトランプ大統領の完全な潔白は証明されていないとの認識を改めて示した。 

モラー氏は司法委員会で、トランプ氏の潔白を証明したかというナドラー委員長(民主党)の質問に対し「していない」と回答。捜査は「公正かつ独立した方法」で行い、捜査チームは最も清廉潔白だったとした上で「これまでの仕事人生で、私は民主主義に対する挑戦を何度も目にしてきたが、その中でもロシア政府の選挙干渉疑惑は最も深刻なものだ」と述べた。 

司法妨害は真実を追究し犯罪者に責任を負わせる政府の努力を揺るがすものだと指摘した。捜査のきっかけに関する質問には回答しないとした。 

モラー氏は冒頭、捜査チームが司法妨害の問題について結論付けないことを決めたと繰り返し発言。「司法省の方針と公正の原則に基づき、大統領が犯罪を犯したかどうかについて結論付けないことを決めた。それが当時の決定であり、今日も続いてる」とした。 

大統領が退任後に訴追される可能性はあるとも述べた。またトランプ大統領の弾劾手続きに関しては言及しないと語った。 

ホワイトハウスはモラー氏の証言について、民主党員にとっての「災害」とした。トランプ氏はツイッターで、ロシアに関する調査はでっち上げだとする他のユーザーのコメントを投稿。一方、モラー氏は公聴会でこうした見方を明確に否定した。 

また、トランプ大統領の弁護士ジェイ・セクロウ氏は「米国民はこの問題が終わったことを理解している」と述べた。 

司法省は4月、捜査報告書を公開。大統領による司法妨害を示す事例を数多く指摘する一方、大統領が罪を犯した証拠はなく、また潔白が証明されたわけでもないと結論付けた。