【ニューヨーク時事】米司法省は26日、米携帯電話3位TモバイルUSと、ソフトバンクグループ(SBG)傘下の同4位スプリントの合併を承認した。合併が実現すれば、SBGの出資比率は現在のスプリントに対する約84%から約27%に低下する。巨額の負債を抱えるスプリントが子会社でなくなることで、SBGの財務改善が進む見通しだ。
スプリントは3月末時点で、SBG全体の約3割に当たる4兆円超の有利子負債を抱え、経営の重しになっている。スプリントはTモバイルUSとの合併後、連結子会社から持ち分法適用会社となり、SBGの負担が軽くなる。
司法省は米携帯大手が4社から3社に減ることで市場競争が阻害され、通信料金が高騰する恐れがあると警戒。承認判断が遅れる要因になっていた。同省は競争を維持するため、スプリントの一部事業などを米衛星放送大手ディッシュ・ネットワークに取得させ、同社を携帯市場に参入させることを条件に合併を認めた。連邦通信委員会(FCC)のトップもこの日、合併を支持する意向を改めて示した。
Tモバイルとスプリントは昨年4月に合併合意を発表。構想は過去に2度頓挫していた。次世代通信規格「5G」への投資競争が本格化する中、上位2社のベライゾン・コミュニケーションズとAT&Tに対抗する。