【ワシントン時事】米民主党のペロシ下院議長は26日、対立が表面化している党内急進左派の若手オカシオコルテス下院議員と会談した。夏の議会休会を前に和解をアピールした形。ただ、トランプ大統領弾劾の是非や政策の方向性をめぐる党内の対立は収まる気配がなく、結束を迫られる来年の大統領選にも暗い影を落とす。

 「家族には違いがあるが、それでも家族だ」。ペロシ氏はオカシオコルテス氏との30分間の会談後、こう語った。2人が笑顔で並んだ写真もツイッターに掲載した。

 両氏の対立は、ペロシ氏が今月、移民政策をめぐる投票で党の方針に従わなかったオカシオコルテス氏ら4人の女性議員に対し「議会にフォロワー(追随者)はいない」と批判したのが発端。オカシオコルテス氏は「明らかに失礼だ」と反発した。

 トランプ氏は内輪もめに首を突っ込むかのように、プエルトリコ系のオカシオコルテス氏らに「国に帰ってはどうか」と非難。ペロシ氏としては融和を打ち出す必要に迫られていた。

 だが、足並みの乱れは隠せない。モラー元特別検察官の議会証言を受け、ペロシ氏は26日、弾劾に進むべきかの判断について「適切なタイミングでなされる」と改めて慎重な考えを表明。一方、オカシオコルテス氏は「(弾劾へ)確実に進んだ」と対照的な反応を見せた。

 党内対立は対トランプ氏で一枚岩となることが不可欠な大統領選にも波及する。左派筆頭格のサンダース上院議員は「ペロシ氏は少し厳し過ぎる」とオカシオコルテス氏擁護に回る。左派に支持を広げるウォーレン上院議員も24日、「政治的な理由でそれ(弾劾)を求めない人がいるが、政治を超越しなければならないこともある」と述べ、トランプ氏弾劾をためらうペロシ氏をあからさまに批判した。