- 包商銀救済では一部債権者に損失、小規模銀行の資金調達コスト上昇
- 遼寧省本拠の錦州銀には工商銀含む3社が株式買い入れで合意
内モンゴル自治区に本拠を置く包商銀行を5月に公的管理下に置き市場を驚かせた中国当局は、別の問題を抱えた地方銀行を異なるアプローチで救済した。予想外の包商銀救済では、一部債権者が損失を被り、小規模銀行の資金調達コストは上昇するという結果を招いていた。
中国工商銀行と中国信達資産管理、中国長城資産管理の国有3社は28日、遼寧省を本拠とする錦州銀行の株式少なくとも17%を部門などを通じ買い入れることで合意したと発表。錦州銀株は香港に上場しているが、4月から売買停止で、最後に取引された株価を約40%下回る水準で工商銀は出資することになる。また、流動性逼迫(ひっぱく)が伝えられる中、錦州銀のドル建て債は先週、大きく値下がりしていた。
中国人民大学重陽金融研究院の董希淼副院長は、今回の動きは経営危機の銀行に直接資本を注入するという従来の方法を変える当局のシグナルかもしれないと指摘。「大規模で体力のある金融機関が問題を抱えた同業他社に救済の手を差し伸べるというのが、近い将来にリスクを解消し金融の安定を守る重要な手段となる公算が大きい」と述べた。
原題:In Latest China Bank Rescue, Authorities Avoid a Takeover、China’s Troubled Jinzhou Bank Wins Investors After Bonds Tumble(抜粋)