- 期待ほどハト派でなかったFRB議長、米中交渉が終了
- 米民間雇用者数は伸び加速、GE決算、フィアットは見通し維持
米連邦公開市場委員会(FOMC)は予想通り0.25ポイントの利下げを決定しました。しかし、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)が記者会見で、緩和サイクルの開始を示唆したわけではないと話したこともあり、株式相場は下落しました。「われわれを失望させた」とツイートしたトランプ大統領の議長攻撃はやみそうにありません。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
サイクル中盤の調整
パウエル議長は今回の利下げについて、「下振れリスクに対する保険」を意図したものだとし、リスク管理の側面を強調した。「サイクル半ばでの政策調整だ」と発言し、「長期にわたる一連の利下げの始まりではない」と説明した。もっとも「一度きり(の利下げだ)とは言っていない」と述べ、追加利下げに含みを残したが、追加緩和観測は後退した。
協議終了
米代表団は31日午後、劉鶴副首相ら中国側の交渉担当者らとの会合を終えた。中国のニーズに基づいた米国からの農産品の輸入について協議したと、国営新華社通信が報じた。ホワイトハウスは「建設的だった」と評価。協議では中国が米国から農産品の購入を増やす意向を確認したほか、強制的な技術移転、知的財産権、サービス、非関税障壁を中心に話し合ったと明らかにした。中国と米国は9月に米国で次回会合を持つ予定。
サービス業がけん引
ADPリサーチ・インスティテュートが発表した7月の米民間雇用者数は15万6000人増と、前月に続き伸びが加速した。財生産部門は9000人増。サービス業が14万6000人増とけん引役になった。小規模企業が1万1000人増にとどまった一方、大企業は7万8000人増と、雇用拡大を主導した。8月2日発表の雇用統計については、非農業部門雇用者数が約16万5000人増と予想されている。
エンジン事業が不振
ゼネラル・エレクトリック(GE)は2019年の利益およびキャッシュフローの見通しを上方修正した。カルプ最高経営責任者(CEO)の再建策に弾みが付きそうだ。通期調整後1株当たり利益予想は55-65セント。従来予想から5セント引き上げた。ただ、ジェットエンジン事業の不振が嫌気され、株価は荒い値動きの後、結局下げて終えた。
トラックが好調
フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA) の4-6月期決算では、営業利益がほぼ横ばいとなり、通期の見通しを維持した。一方、ダイムラーなど同業他社は需要低迷や記録的な支出を踏まえて見通しを引き下げている。FCAは新型の「ジープ・グラディエーター」やラムが好調で、全体の出荷減少を補った。米トラック市場でのシェア拡大を目指し大幅な値引きを提供したものの、北米地域では利益率も上昇した。
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