・0.75%で金利維持、全会一致-合意なき離脱の新たな分析示さず
・2019、20年の国内総生産成長率は1.3%と予想

イングランド銀行(英中央銀行)は1日、政策金利据え置きを発表するとともに、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る不透明性のため景気見通しに通常ほど自信が持てない状態だと説明した。合意なき離脱となった場合の新たな分析は特に提示されなかった。

合意のあるなしにかかわらず10月31日に離脱すると決意表明しているジョンソン首相の就任後、英中銀が公に見解を示したのはこれが初めて。合意なき離脱については、そうなればポンドが下落してインフレが加速、成長が鈍化するだろうとの従来見通しを繰り返しただけだった。

1日公表した最新の経済予測には合意なき離脱のシナリオが含まれていない。中銀は合意ありの離脱を前提に、インフレ率を目標水準にするためには金利を徐々に引き上げる必要があるとのかねてからの認識をあらためて示した。合意なき離脱の場合の中銀の対応についてヒントを求めていた投資家らには、期待外れの内容と言えそうだ。

中銀は「EU離脱の形を巡り不確実性が高まったことは、今後数年に英経済がたどり得る道筋の幅がより広いことを意味する」とした上で、「金融政策の適切な道筋は、需要と供給、および為替レートへの離脱の影響の総和に左右される」と述べた。

金融政策委員会(MPC)は政策金利を0.75%で据え置き、資産購入についても変更しないことを全会一致で決めた。

中銀は世界経済が減速している現状を踏まえ、今年の英経済成長率の見通しを1.3%に引き下げた。輸出の伸び鈍化と企業投資の弱さが2020年に入っても続くと予想、同年の成長率も1.3%と見込んだ。

インフレ率については今後3年の間に0.25ポイント利上げすれば中銀目標の2%を下回るが、市場が織り込む通り0.25ポイントの利下げを実施するなら2.4%に上昇すると試算した。

原題:BOE Says Brexit Uncertainty Skews Forecasts, Keeps Rate on Hold(抜粋)