【北京時事】週明け5日の上海外国為替市場の人民元相場は、対ドルで1ドル=7元台まで下落し、2008年5月以来、11年3カ月ぶりの安値を付けた。米中貿易摩擦の長期化を受け、中国当局は元安容認の姿勢に転じたもようだ。
中国人民銀行(中央銀行)は声明で「一国主義や貿易保護主義、(米国の)対中追加関税見通しなどの影響で、元相場はやや下落した」と説明。7元台は過去にもあり、変動は「正常なこと」と強調した。
中国は景気減速が進む中、米中摩擦の影響で消費が伸び悩んでおり、一定の元安を認めることで輸出の下支えを図る考えとみられる。一方、国外への資金流出が加速する恐れもあり、人民銀は「投機的な動きには打撃を与える」と警告した。