• 人民元急落で中銀が外国企業に説明、すでに緩和的だとブラード総裁
  • 予定通り9月に米中交渉、銃乱射の代償、歴代FRB議長が連名

「世界1位と2位の経済大国が全面的な貿易戦争に入る可能性があり、その打撃の大きさを甘く見てはいけない」とTDセキュリティーズのストラテジストは警告しています。日々の材料に左右されやすい株式相場はこの日大きく反発しましたが、原油の需要見通しには拡大する一方の不確実性がはっきりと影を落としています。ロンドンで取引される北海ブレント原油はこの日、弱気相場に入りました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

火消し

中国人民銀行(中央銀行)は北京で多数の外国企業と会合し、人民元の大幅な下落は続かないと伝え、不安払拭(ふっしょく)に努めた。ドルの売買も通常通りに可能だと説明したほか、中国が通貨を米国との貿易戦争の武器として使うことはないという易綱総裁の言葉を繰り返したという。会合に出席した当局者や企業の名前は明かされていない。

ハト派の旗振り終了

セントルイス連銀のブラード総裁は「日々繰り返される貿易交渉の駆け引きに、米国の金融政策が理性的に逐一対応することは不可能だ」と講演で発言。金融政策は不確実性を織り込んですでに緩和的になっており、貿易摩擦の悪化に急いで対応する必要はないとの考えを示した。ハト派を自負してきたブラード総裁は、金利据え置きを決めた6月のFOMCで利下げを主張した経緯がある。FOMCは7月会合で利下げを決定した。

9月、ワシントンで

ホワイトハウスのクドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、トランプ大統領が中国との貿易協議継続を希望しているとして、なおも中国代表団の9月訪米を想定していると、CNBCとのインタビューで述べた。中国への関税措置について、状況は変わり得るとクドロー氏は述べた。同氏はその後記者団に対し、中国が人民元の下落を反転させるべく措置を講じたかどうかは、「慎重に見極める」と述べた。

郊外の票田

2020年の米大統領選挙で鍵を握るとされる女性と大卒有権者。共和党はこうした有権者の多い郊外の基盤を失う可能性がある。週末、立て続けに2件の銃乱射事件が起きたにもかかわらず銃規制に動かないことで、「昨年の中間選挙でヘルスケア問題を背景に郊外で支持者離れが起きたのと同じことが起きる」と、トランプ大統領の支持者からも批判の声が上がり始めた。

4人連名の重み

トランプ氏によるパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長への執拗(しつよう)な攻撃に対し、イエレンバーナンキグリーンスパンボルカーの歴代FRB議長4人は米紙ウォールストリート・ジャーナルに連名で論説を寄稿。政治的圧力や幹部解任の脅威を受けながら金融政策当局が責務遂行を目指す状況はあってはならないと訴えた。「少人数の政治的集団の利益ではなく、最大限の国益のために政策を決定する能力をFRBが維持することは極めて重要だ」と述べた。

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