韓国政府が日本を「ホワイト国」(安全保障友好国)から除外する措置を留保した。一方、日本産石炭灰を輸入する際の放射能・重金属検査は大幅に強化することにした。日本との戦線の拡大を自制しながら、日本産輸入品に対する「規制カード」を取り出したのだ。
政府は8日、洪楠基(ホン・ナムギ)副首相兼企画財政部長官の主宰で日本輸出規制対応関係長官会議を開いた。産業通商資源部は「関係部処長官会議で戦略物資輸出制度について議論した結果、具体的な内容と推進日程については今後確定することにした」と明らかにした。今後の日本の対応によって正面対抗レベルを調節するという戦略的カードと解釈される。
この日、国政懸案点検調整会議を主宰した李洛淵(イ・ナギョン)首相も日本の輸出規制に相応の措置を取るという発言をしなかった。李首相は「日本の経済攻撃が原状回復するよう外交的努力を強化する」と述べ、外交的な解決法を強調した。
政府は当初、この日の会議で日本の貿易報復への正面対抗レベルで日本をホワイト国から除外する戦略物資輸出入告示改正案を確定する予定だった。現在「カ」「ナ」地域に分類された戦略物資輸出地域に「タ」地域を新設して日本をここに入れるということだ。
日本は現在、米国・英国・ドイツなど28カ国と「カ」地域に含まれている。日本を「タ」地域に分類して輸出許可にかかる期間を15日から最長90日に延長するのが核心だ。
ひとまず日本が水位調節をする姿を見せ、韓国政府の計算が複雑になった。正面対抗レベルで日本を除外する場合、今後の世界貿易機関(WTO)訴訟で不利になるという点も考慮され、「ひとまず見守ろう」という慎重論が強まった。
匿名を求めた政府関係者は「首相室が日本のホワイト国排除に関連した実効性および論理などについて、もう少し補完することを指示したと聞いている」と伝えた。続いて「とはいえ、日本をホワイト国から除外するという政府の立場が変わったわけではない。適切な時期を眺めている」と話した。
この日、環境部は「汚染の懸念がずっと提起されている輸入石炭灰に対して放射能・重金属成分を直接全数調査する予定」と明らかにした。現在、国内の石炭灰輸入量(昨年基準126万8000トン)の99.9%は日本産。国内セメント工場は日本の火力発電所で排出された廃棄物の石炭灰を輸入してセメントを作る原料として使用している。
環境部は年間400件にのぼる輸入廃棄物に対し、直接放射線量簡易測定と試料採取、重金属成分検査など全数調査をすることにした。環境部のイ・チェウン資源循環政策課長は「今回の措置は安全管理を強化するものであり、輸入制限措置ではない」とし「関係部処と十分に協議した」と説明した。