- インベステックのシルバーストン氏、為替ヘッジ付きで日本国債選好
- 金融システム、このような利回り水準では長く存続できない
混乱深める債券市場では、低利回りで悪名高い日本国債でさえ一部の投資家の目には高利回りに映るようになった。
長期にわたる超緩和政策のおかげで日本国債の利回りは低いという見方が定着していたが、世界的な債券高で他の国・地域の利回りが下がったために、この認識も修正されつつある。インベステック・アセットのファンドマネジャー、ラッセル・シルバーストン氏は日本国債のロングポジションを選好している。日本国債利回りは今では、欧州の最高格付け債市場のどこよりも高い。
「今の世界では日本国債は高利回りだ。ドルの為替ヘッジを加えれば非常に魅力的だ」と同氏は述べた。「日本国債がよく見えるのだから、完全にイカれている」と付け加えた。
日本がゼロ金利の先駆者となってから約20年、日本銀行が量的・質的緩和を導入してから6年余りになる。日本国債の利回りはマイナスとなり、日本の投資家は利回りを求めて海外資産に投資してきた。今ではシルバーストン氏のような運用者が、正反対の方向に動いている。
ドイツやオランダ、オーストリア、フランス、ベルギーなどの国債利回りは既にマイナス圏にある。ドイツ5年債の利回りは現在、マイナス0.87%。同年限の日本国債はマイナス0.31%だ。シルバーストン氏によると、ドルのヘッジ付きでは40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い利回りが得られる。
シルバーストン氏はしかし、日本の利回りが相対的に魅力的である状態は債券市場の現状についての警告だと考える。日本国債が前回このように魅力的に見えたのは1995年であり、これは「このような利回り水準では金融システムが長く存続できないことを示している」と同氏は述べた。
原題:In a Bond Market Gone Bonkers, Japan Is the New ‘High Yielder’(抜粋)