[ニューヨーク 15日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが円に対し序盤の下げから切り返し、やや上昇した。米小売売上高が市場予想を上回ったことで、米経済を巡る懸念が後退した。 

米国債の長短金利US2US10=TWEBが12年ぶりに逆転したことを受け、前日には米経済のリセッション(景気後退)懸念が台頭。円は対ドルで上昇していた。 

ただ、米商務省が15日発表した7月の小売売上高が前月比0.7%増と、市場予想の0.3%を上回る伸びとなったことを受け、米経済を巡る懸念が緩和し、円高が反転した。 

キャピタル・エコノミクスのシニア米国エコノミスト、マイケル・ピアース氏は「7月の米小売売上高は米国の消費者の復活を示した」と述べた。 

ドル/円は0.11%高。主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.11%高の98.095と2週間ぶりの高値に接近した。 

一方、米債券市場では30年債利回りが2%を下回り過去最低を更新したほか、指標10年債利回りも3年ぶりの低水準を付けるなど引き続き警戒感を示した。 

米セントルイス地区連銀のブラード総裁は15日、米長短金利差の逆転について、米経済を巡る「弱気な」シグナルと見なされるには、「一定期間持続する必要がある」との見解を示した。 

ノルウェー中央銀行が世界的なリスクの高まりを背景に政策見通しの不透明感が増したと表明したことを受け、ノルウェークローネは下落。対ドルで約18年ぶりの安値を付けた。 

豪ドルAUD=D3は0.47%高の0.6779米ドル。オーストラリア連邦統計局が発表した7月の雇用統計は、就業者数が予想を上回った。 

ただ豪中銀のデベル副総裁は15日、米中の通商摩擦が世界的に企業の投資決定を先送りさせており、経済活動を阻害しているほか、自己実現的な世界景気悪化のリスクになっていると警告した。 

ポンド/ドルは0.42%高。英国立統計局(ONS)が発表した7月の小売売上高指数が前月比0.2%上昇と、予想外に上昇したほか、野党・労働党がジョンソン政権に対する不信任投票を求める意向という報道を受けた。 

ドル/円 
NY終値 106.11/106.14 
始値 105.75 
高値 106.34 
安値 105.76 

ユーロ/ドル
NY終値 1.1106/1.1108 
始値 1.1153 
高値 1.1158 
安値 1.1092