猛暑、酷暑が続く日本列島。夏休みが終わり今日から仕事を再開する方が多いと思う。とりあえず、このコラムを読んでいただいている皆様には「酷暑!!!お見舞い申し上げます」。日本列島を台風10号が縦断したが、異常気象はまだまだ続きそうだ。そして異常なのは天候だけではない。貿易管理の強化をめぐる韓国の対日批判もかなり異常だ。文在寅(ムンジェイン)大統領は反日姿勢を軟化しつつあるようだが、対日批判を支持率アップに利用する基本姿勢は変わっていない。この夏、韓国関連の記事を多く読んだ。韓国にも韓国なりの言い分があるだろう。それを現実政治に直接結びつけると、日本としても「はい、そうですか」とは言えなくなる。これが歴史の過去と未来を結ぶ「現在」の難しさだ。

香港も異常だ。逃亡条例改正案を撤回しない限り香港の「怒り」は解消しない。林鄭月娥行政長官の退任を認めない中国の意図も見え見えだが、中国軍を結集して香港に圧力をかけ続ける現状は、「異常」としか言いようがない。こんなことを続けていると香港は「第2の天安門事件」になりかねない。それでも中国は香港市民の意思を無視し続けるのだろうか。そんなことをすれば第2のウイグル自治区になる。トランプ大統領が香港問題に懸念を表明すれば、中国は「内政干渉」と米国を批判する。米中の対立は貿易摩擦から政治摩擦に発展しそうは雲行きだ。さらに悪いことに、米国がF16戦闘機を台湾に売却することを決めたことだ。これにも中国は強烈に反発している。香港で起こっている摩擦が台湾に飛び火すれば、経済摩擦どころではない。

そんな中で9月1日には、中国製品に対する追加関税第4弾が発動される見通し。対象品目は若干削減されそうだが、世界経済のマイナス要因であることに変わりはない。月内に電話による米中首脳会談を開催するとトランプ大統領がツイートしている。当面この会談がいつ開催されるか注目されるが、同大統領の真意を忖度すれば「追加関税の回避」だろう。だが、中国は香港に台湾問題が絡み始めた政局を無視できない。貿易問題で簡単には降りられなくなっている。この間隙をぬって北朝鮮は短距離ミサイルの発射実験を続けている。中国、ロシア、北朝鮮の軍事的連携が水面下で模索されているようにも見える。韓国はこの動きに絡んでいるのだろうか。経済摩擦の裏で、軍部を含めた政治摩擦が動き始めているのかもしれない。