【ワシントン時事】「ガソリンスタンドも売店もありません」。米西部ネバダ州の砂漠の町、レイチェルは最近、ホームページ(HP)にこんな警告文を掲載した。インターネット上で企画された宇宙人愛好家のイベントの舞台に突如選ばれ、人口98人の町に困惑が広がっている。
発端は、マティー・ロバーツと名乗る人物が7月にフェイスブックで呼び掛けた同州の米空軍管理区域「エリア51」への「襲撃イベント」。
同所に米軍が隠していると長年うわさされてきた宇宙人を助けようと、ロバーツ氏は9月の襲撃決行を計画。「エリア51になだれ込め。全員で向かえば止められない」という呼び掛けに、国内外から200万人以上が参加の意思を表明し、連邦捜査局(FBI)が動きだす騒ぎになった。
ロバーツ氏は「ジョークのつもりだった」と語り、代わりに近傍のレイチェルで音楽イベントの開催を企画。「エイリアンストック(宇宙人祭り)」と題し、開催予定日の9月20~22日には約1万人の宇宙人愛好家が集う可能性がある。
とはいえ、町の1軒しかないホテルは既に満室。レイチェルはHPで「住民の多くはイベントを快く思っていない」と明かし、参加者に住居へは近づかないよう呼び掛けている。