[ロンドン 19日 ロイター] – 英国は19日、欧州連合(EU)での移動の自由について、10月31日に合意がないままEUを離脱した場合、直ちに終了すると発表した。一方、ジョンソン英首相は移民に反対するつもりはないと述べた。
英内務省の報道官は声明で「現在の移動の自由は、英国がEUを離脱する10月31日に終了する。EU離脱後は、出身地ではなく技能など英国への貢献度を優先する、より公平な移民システムを新たに導入する」とした。
また移動の自由を巡る変更の詳細は現在作業中で間もなく発表される予定だが、犯罪に関する厳格な検査が含まれるとした。
一方、ジョンソン首相はBBCラジオコーンウォールで「われわれがやろうとしていることはEUからの離脱であり、全ての権限が合法的に英国に戻ることを意味する。だからといって、英国への移民を停止するつもりはなく、移住や移民を敵対視する意向もない」と指摘。「英国への移民は民主的に管理される見込みで、そのためにオーストラリアのようなポイント制の移民政策の策定を予定している」と述べた。
内務省によると、10月末まで英国に在住するEU市民に影響はないが、少なくとも2020年12月末までに英国在住に関する手続きを申請しなければならないとした。また定住する資格があれば、移動の自由が終了した後でも英国への再入国が認められるとした。
政府研究所のプログラムディレクター、ジョー・オーウェン氏は、移動の自由を終了するためにはわずか2カ月間で新たなシステムの設計、法制化、執行が必要となるため実務上「不可能に近い」と指摘した。