• 今月に入って間もない時期までは1年余りにわたり円をショート
  • 不安定なリスク見通し踏まえると今後も値上がりの見通し-シティ

2019年に入ってからの円の独歩高がついに、ヘッジファンド運用者の関心を捉えた。

米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、ヘッジファンドなど投機家が円にここまで強気になったのは16年11月以来。今月に入って間もない時期までは1年余りにわたり円をショート(売り持ち)にしていたが、米中貿易摩擦で世界の経済成長を巡る懸念に拍車が掛かると、円の見通しを徐々に明るくしていった。

円は今年に入り全てのG10通貨に対して値上がりしており、「不安定な」リスク見通しを踏まえると今後も上げ続ける見通しだと、シティグループが指摘した。

Hedge funds amass largest net-long yen position since 2016

シティのG10通貨戦略責任者カルビン・シー氏(北米担当)は、「円はG10で群を抜いて最高の安全資産通貨だ」と指摘。「現在の状況では、円のリスクは上昇の方向に大きく傾斜していると引き続き考えている」と述べた。

円の対ドルでの年初来上昇率は約3%と、G10通貨の中で最高。債券市場が世界経済に警戒シグナルを発した先週は1ドル=105円05銭と、年初来高値近くまで円高が進んだ。

原題:Hedge Funds Throw Heft Behind 2019’s Best-Performing Currency(抜粋)