香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、抗議活動を行うデモ隊の主な要求の1つに応じようと試みたが、デモ隊側はその試みをはねつけた。政府とデモ隊の双方とも緊張緩和に努めてはいるものの、最終的な妥協に至るかは不透明だ。
林鄭長官は、直ちに対話の機会を設け、警察に対する不満を調査し、デモに関する広範な実態調査を行うと約束。詳細について多くは明らかになっていないが、対話の機会には異なる職業や地位、さまざまな政治的見解や立場の人々が参加する形になるという。デモの実態調査については、当局が海外の専門家の協力を得て実施し、半年以内に調査結果を公表するとしている。
長官は20日の記者会見で今回の提案について、「香港で起きていることをより一層理解したいという強い願望への極めて責任ある対応だと、私は期待している」と述べた。デモの実態調査については、「今後どう前進し、同様な出来事の再発を回避するのかについて政府に提言を行う」と加えた。
一方、デモを主催する民主派団体「民間人権陣線」は林鄭長官の提案を直ちに拒否。同団体の幹部は記者団に対し、「林鄭長官は香港市民を社会における利害関係者とみなしていないというのが事実だ。そのような状況で対話の機会を与えられたところで、われわれに一体何を話せというのか」と述べた。
原題:Hong Kong’s Lam Offers Olive Branch After Latest Mass Protest(抜粋)