[ワシントン 23日 ロイター] – トランプ米大統領は23日、米企業に対し中国から事業を撤退させ、米国内での生産を拡大するよう要求した。中国が発表した対米報復関税措置に対する対応策を近く発表するとも言明した。 

中国商務省は同日、対米報復関税を発動すると発表。米国から輸入する750億ドル相当の製品に対し5─10%の追加関税を課す。米国が9月1日から発動を予定する対中制裁関税「第4弾」に対する報復措置とみられる。 

トランプ大統領はツイッターへの投稿で「偉大な米企業に対し、中国の代替先を即時に模索するよう命じる。事業を米国に戻し、米国内で生産することも含まれる」とし、「われわれに中国は必要ない。率直に言えば、中国がいない方が状況はましだろう」と述べた。 

トランプ大統領の発言を受け、ドルは人民元に対し急上昇。米株式、原油相場は下落した。 

トランプ大統領の命令に法的拘束力はなく、実際にどのように米企業を中国から撤退させるかは不明。 

専門家は、税制の変更制裁などを通じ、中国における米事業を制限、縮小させる可能性があると指摘。しかし、プロセスは長期間を要する可能性があるほか、両国の経済に深刻な影響が及ぶ恐れがあるとした。 

中国で事業を展開する米企業からの連邦政府調達を制限することが、最も効果的な選択肢となる可能性があるとみられる。ボーイング(BA.N)やアップル(AAPL.O)、ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)など、連邦政府の大型調達先で、中国で幅広く事業を展開する企業が大きな痛手を被ることになる。