欧州中央銀行(ECB)のメルシュ理事は、米フェイスブックが計画しているデジタル通貨「リブラ」について、「魅力的」だがECBといった当局機関の発行する貨幣を防衛する上では「危険」だと述べた。
メルシュ氏は2日、フランクフルトで開かれたECBの法務関連会議で講演し、プライベートセクターが発行する通貨は、法定通貨に代わる実行可能な手段としての地位を築く可能性はほぼないか、まったくないと述べた。貨幣に信用力を持たせるために必要な組織的な後ろ盾と、公からの信用を勝ち取れるのは独立した中央銀行だけであると、同氏は主張した。
メルシュ氏は「欧州の人たちには、すでに確立された支払い方法の安全性や健全さを捨て、フェイスブックが誘惑する魅力的だが危険な約束へと走ろうとしないことを心から願う」と述べた。
原題:ECB’s Mersch Says Siren of Libra Is Beguiling But Treacherous(抜粋)